7.ビジネスパートナーの声

この人に、聞く創研スタイルインタビュー

エコハウスプロジェクトに学ぶこれからの省エネ・エコ住宅

丸谷 博男(まるや ひろお) 氏 一級建築士事務所㈱
エーアンドセントラル
arts and architecutuer代表
千葉大学工学部建築学科非常勤講師
「設計指導」
東京芸術大学非常勤講師
「素材と造形論」

創研構法は自然素材を積極的に使い、家族の変化や時代の変化に対して価値を失うことのない住宅を創造することができます。
素材を見る目、素材を加工する技術、素材を楽しむ心を大切にした住まいづくりです。

まず、エコハウスプロジェクトとは、環境省が実施している「21世紀環境共生型住宅のモデルハウス設備による建設促進事業」のこと。 民生部門の省エネ化が喫緊の課題とされる一方、省エネ・エコ住宅に関する知識、建設地の環境や地域性を生かした設計技術などの普及が十分でないのが現状だ。 そこで全国20の自治体が環境省の補助を受け、気候風土や特色が生きる省エネ・エコ住宅の実現と、技術の普及に取り組むというのが、同プロジェクトである。

今回は、環境共生の技術とライフスタイルの学びの場として計画された、北九州エコハウスでの取り組みと、 これからの省エネ・エコ住宅について、同プロジェクトにアドバイザーとして関わってきた建築家・丸谷博男氏に話を伺った。


地域性をいかした設計が重要

北九州エコハウスの目的とはなんでしょうか。

丸谷
北九州のエコハウスは、これから住宅を建てる地域の設計者・施工者にエコハウスの快適性や経済性を知っていただくためのモデル住宅です。

モデル住宅は、次世代省エネルギー基準を満たす断熱・気密、日射遮光といった環境基本性能の確保に必要な技術や自然・再生可能エネルギー活用のための技術について 来場者が学び取ることができるよう、多様な要素技術を用いて設計されています。

設計に当たっては、北九州市の気候風土やモデル住宅の立地条件が判断され、必要な技術要素を総合的に検討することに注力しました。 これにより北九州では、CO2排出量を年間3700kg、約60%削減しています。

また、モデル住宅にはパネルを展示したり、アクリル板などで床などを表出させてりして、省エネの「見える化」「感じる化」を促進しています。

解説員が常設しているため、エコハウスに対する疑問を解決する機会も得られるでしょう。


北九州モデルハウス

モデル住宅をプランニングするうえで工夫した点はありますか。

丸谷
私は環境共生住宅に1970年代から取り組んできました。
付設温室、屋根裏の風洞、東西南北方向に設けた通風口、調湿型内壁、外壁、緑化など、その頃からあった技術を北九州エコハウスの計画にも生かしています。

また、庇や軒の出を調整し、開口部の位置を工夫するだけで、日射遮光には大きな効果があります。 その他、日本の古くからある手法に学び有効なものを積極的に取り入れる工夫が随所に施されています。


最新技術も積極的に活用

最新の設備や技術を導入した部分はありますか。

丸谷
設備による省エネ化は、近年特に話題となることろです。北九州エコハウスでも、アクティブな手法による省エネ化を体感できるよう、太陽熱と地熱を利用したシステムや OMソーラシステムのほか、太陽発電、クールチューブによる24時間換気、高効率給湯器など、様々な最新技術を採用しました。

一方、屋根・外壁の日射反射率を高めるために、断熱材に加えてアルミ箔を用いた遮断シートを採用。 夏型結露(逆転結露)を防止するための材料として、気密には調湿気密シートを、ガラスには遮断コーティングを採用するなど、 パッシブ的な手法にも積極的に最新の技術を取り入れています。

~基礎立て柱勝ち構法~

1500年以上の歴史を持つ伝統木造工法の代表的なものが
「石場立て構法」(柱勝ち構法)です。

基礎を用いず礎石の上に柱を建てる
土台は無く足固めで柱の足下を固める
開口部の上部には差鴨居、柱固めで柱の上部を固め縦を通す
筋交いは無く、通し貫を入れる
地震時の水平力に対してすべての材の接点が抵抗要素となり
その数は、千に達していました。
家全体が揺れながら地震力を逃がすため
自然に逆らわず極めて安全性の高い構造となっていたのです。

現在でも、築200年、300年を超える
伝統木造構法で造られた古民家が数多く実在しています。

こうした伝統的建築の優れた面を生かし、現代の技術を反映し
金物と集成材とプレカット工法による構造法が、「創研構法」です。
大きな特徴は、筋交いに頼らず足固め、腰固め、梁などの
横架材を多用して接合点を多くし部分負荷を小さくしています。