
我が国の建物の大半は木造と言っても過言ではありません。 それ位木造住宅の着工面積は大きいのです。 また近年多くの地震災害が発生し、住宅の耐震性が重要視されています。 そして我が国の住宅は約30年で建て替えられています。 資源問題と地球温暖化の問題は人類の大きな課題となりつつあります。
木材は再生可能な唯一の構造材料であり、 且つ建設時には二酸化炭素放出量も少ないことが知られています。 木材を有効に使った良質な住宅を長く使い続けることが求められています。 そんな中で考案された創研構法は木材の良さを活かし十分な耐震性を確保し、 新しい空間構成を可能とする、全く新しい発想に基づく構法です。
創研構法は一言で言えば、通し柱を使った柱勝ち構法で、 特殊金物を用い木材断面の欠損を無くした耐震構法です。 住宅金物製造の長い経験とノウハウから生まれた新しい構法です。

木造の耐震性は接合部です。 近年の木造住宅は金物構法とも言われています。 しかし、プレカット工法とこの金物多用により、木材自体の強度低下が懸念されます。 創研構法は金物を使いつつ木材の断面欠損を殆ど無くしたのです。 また木造では柱脚の浮き上がり防止は耐震性の要です。
創研構法では基礎のコンクリート打設時にT字形断面の金物を固定します。 そして土台部分は柱勝ちとし、柱脚をこのT字形断面の金物に固定します。 T字形断面の金物はホールダウン金物の役割を果たします。 コンクリート基礎に固定されていますから十分な耐力を発揮します。 更に主な柱については、通し柱の柱勝ち構法となっています。
柱と梁の接合部にもT字形断面の金物を用いることにより、 従来の木造軸組工法に必要とされるホゾ、 蟻掛けなどの仕口加工が不要であり、 材木の断面欠損を最小限に押える構造とし、 強度とねばり強さを発揮するようになっています。
本構法の耐震性能の確認や従来工法との比較検証は、 接合部や平面架構の水平加力実験により、 顕著な効果があることが実証されました(財団法人建材試験センター、試験報告書など参照)。
本構法はこれら一連の実験研究と共に既に数十棟の実績があり、 創研構法の有効性は実証されつつあります。
本構法を展開することにより長年の懸案であった 国内木造住宅の資産価値低下の歯止めに少なからず寄与できるものと考えます。
また、高床式の架構を用いることで耐震性の向上が見込め、 低層木造住宅だけではなく3階層以上の木造住宅、 ひいては大型木造建築の新たな可能性が広がるとものと期待されます。
- ■宮澤健二氏の略歴
- 1943年生まれ。工学博士。工学院大学建築学科教授。 一級建築士。日本建築学会木質構造運営委員。 木造住宅の耐震性に関する多くの著書があり、その耐震調査や振動実験、 耐震補強に関する研究は、テレ ビ、新聞、雑誌等でも取り上げられている。 2002年 第四回坪井賞受賞
- ■著書
- 「技術者の倫理」コロナ社 2006/4/1、 「木質構造」東洋書店 2004/3/1、 「1998年枠組壁工法建築物構造計算指針」(社)日本ツーバイフォー建築協会 1998/10/30、 「1998年枠組壁工法北米型住宅設計の手引き」(社)日本ツーバイフォー建築協会 1998/8/20、 「阪神・淡路大震災調査報告書 建築編-4 木造建築物 建築基礎構造」日本建築学会 1998/3/20
- 日本ツーバイフォ-建築協会・第4回「坪井賞」受賞











